2008年02月20日

ルートヴィッヒII世(1845ー1886)

以前、ヨーロッパ美術館巡りの旅の途中、お城と宮殿をとにかく見れるだけ見て回ったことがある。とりつかれたように訪れていたが、部屋の装飾がだんだん同じに見えてきて以来、そのあまりの華美なキラビやかさに疲れるようになる。でも、外観は惹かれる。背景にある歴史は興味深い。

● ノイシュバンシュタイン城

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ノイシュバンシュタイン城ができるまでの様々な出来上がり図の一つ(1)
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19世紀の多くの西洋画家がワグナーを賞賛。ある意味、ワグナー ブームが起きているので、西洋美術史に不可欠なワグナー。特にシンボリズムに影響を及ぼしたワグナー。何がそんなに画家の心に響いたのかに関心がある。

以下、King, Greg. The Mad King : The Life and Times of Ludwig II of Bavaria. Secaucus, N.J.: Carol Publishing Group, 1996.
より印象的だったこと。


◆ 想像力の生まれる、創造力が活性化させられる場所


ワグナーは借金に追われ、支払えなくなる度に夜逃げを繰り返していた。
ルートヴィッヒII世がパトロンになってからも、その支払いがしばらく続く。にもかかわらず、あてがわれていた館を豪華に装飾し続けた。(借金していた時も、その生活様式は同じ。)その装飾がワグナーの想像力に不可欠であった。
ワグナーの友人への手紙によると、ルートヴィッヒII世は、ワグナー(その才能を)を初恋の炎のように激しく、優しさに溢れる情熱で愛した。

ワグナーのストリーが基本的には【人間の愛は不完全であり、唯一「死」によって真実の愛と目的が叶えられる。悲劇のヒロインは、自分を犠牲にすることで、二人のための救済が得られる】
ルートヴィッヒII世の想像していた空想の超世界を、ワグナーが実現できたため、資金のサポートだけではなく、ルートヴィッヒII世は共同制作をしているを考えていた。始めの頃、二人は夜通し語り明かした。

● リンダーホフ宮殿の装飾

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◆ 城を建てる情熱。装飾への固執。生活へのこだわり。


ルートヴィッヒII世は、国費の流用はしなかったが、ヴェルサイユ宮殿のような城を建てるために、ついには近隣だけではなく、英国からもお金を借りていた。
極端な人見知りだったため、ワグナーと個人の城にはお金をかけたが、晩餐会や祭典などは行わなかった。
ルートヴィッヒII世が建造した個人宮殿の一つ、ヘレンキムゼー宮殿の彫刻は、予算が合わず、マーブルではなく、石膏を使用していたことが、ある日、軽く叩いたら崩れたことで判明し、その偽物であることのショックから、それ以来二度と、その宮殿を訪れなかったこと。

もともとはストレートの髪質だが、毎日、カールしてもらっていたこと。それなしでは、外出できない、と。
甘いものが好きだったが、医者、歯医者嫌いでもあったので、20代後半で激しい歯痛に悩んだこと。
夜(王にとっては一日の始まり)、香水のスプリンクラーで満たされたお風呂に入っていた。(→ イタリア人と比較すると、ドイツ人が香水好きという印象はあまりない。イタリア人は、香水を霧雨のように降りかける。香りと匂いのブレンドでは、イタリア人男性と日本人男性は両極にいる。それを思い出して、つい。。

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自分の世界に閉じこもり、夜に生活をし、昼間寝る生活。読書が趣味で、キャンドルで本を読んだので視力が落ち、それでも、見た目を気にして眼鏡をかけなかったため、装飾が年々華美になったこと。

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◆ 彫刻家とルートヴィッヒII世


唯一、女性彫刻家Elizabeth Neyが、ルートヴィッヒII世の銅像(2)を作成する許可をやっと得たが、二つの条件付き。
ーー モデルを見ながらの製作中、決してルートヴィッヒII世に話しかけないこと。
ーー 身体を計測するなどで、決して体に触れないこと。
ゲーテのギリシア神話を朗読しながら製作したため、嫌がっていた王が会話を始めたこと。


◆ なぜ、筆者はそこに固執するか。


この本のタイトルは、mad kingであるが、筆者はmadではなく、insaneもしくは、適応障害としてルートヴィッヒII世について書いている。精神面の不安定さ、適応障害の原因を、ホモセクシャルであることの悩みが関係していると繰り返す。ホモセクシャルであったかどうかの事実が証拠不十分であるため、それを強調するのは、例え、伝記であっても人権侵害のようにも感じる。


◆ 19世紀は面白い。


1867年のパリ国際万博では、特にフランス画家が浮世絵などに熱狂している一方、ルートヴィッヒII世は、ブルボン王朝の素晴らしさに感嘆し、リンダーホフ宮殿建設構想を得た。同時代の芸術への様々な動きは興味深い。


ドイツ語のプレゼンテーションがあり、ノイシュバンシュタイン城について発表することになった。初級クラスなので、通常の論文のようなリサーチは必要としないが、あらためてルートヴィッヒII世について読んでみた。

(1)と(2)の図 ーー>
Petzet, Michael. Gebaute Trèaume : Die Schleosser Ludwigs II. Von Bayern, edited by Achim Bunz. Meunchen: Hirmer, 1995.
P.85.228


posted by mandelin-coffee at 04:13| Comment(1) | TrackBack(0) | ART 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月19日

デジタル図書館

大学内の古文図書館から デジタル コレクション

トロント大学で発見されたインシュリン。
その発見当時の記録などがweb上で紹介されている。

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他にも解剖学の歴史、パピルスや、古い印刷物(17世紀のエッチング。約2500点)が公開。

エッチングのサイト↓
africa.jpg



*画像クリックでデジタル図書館へ

他の大学でも様々な分野を公開。他の大学も面白そう。。
タグ:Toronto大学
posted by mandelin-coffee at 16:48| Comment(0) | TrackBack(0) | カナダ Toronto 大学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月03日

Mac bookが届く

我が家に初Macが届く。
Oh, my baby !
人の子供に愛着はわかずとも、我が子は違う、とよく聞くが、まさにそんな感じ。抱きしめたくなるような人間のような素肌感をかもしだすMac。
ロンドンでメヴィウスのパソコンが盗まれた時はbabyとまでは思わなかった。。それがboyfriendより大事だと気づき、というのも、私の脳の一部であったので、ものすごい打撃を受けたことは未だに記憶に新しい。Windowsも好きだけど、お店で灰色のWindowsに囲まれると、どうも焼き肉とタバコが染み付いた背広の匂いを感じる。囲まれなければ、大事なPCであることに代わりはないのだけど。

Firefox ユーザーから、このブログで字が重なっているという苦情を受けていたことを実感し、修正する。色の見え方が大きく異なることは保留事項。

トロントに来てから、授業の予習、復習で新しいファイルがどんどん増え、次から次へと課題があるのでMacへの依存が避けられない。盗まれませんように!


追伸:トロントのイートン・センターにある Mac 販売店の対応は、びっくりするサービスの。。買う気が失せるのです。


posted by mandelin-coffee at 02:20| Comment(2) | TrackBack(0) | つつ うらうら | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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