2010年02月16日

クラブ活動(ポスター作成) ー 2

司祭、人文主義者、神学者で、ベストセラー作家でもあったエラスムスに関する講義を1月に開催することになり年度末に作ったポスターが、下記2点(画像クリックにて拡大)。

Erasmus-January21.jpg実際に使用したのは、上。
英国国旗の色を使い、大学内の「宗教改革・ルネサンス学のセンター[The Centre for Reformation and Renaissance Studies (CRRS) ]」が持つ、初版のエラスムスの新約聖書(ギリシア語とラテン語が並列になっている1516年出版のもの)の1ページをバックに使用したのがこちら ーー>


Erasmus-L5s.jpg銅像に、その新約聖書の1ページを埋め込ませたのがこちらーー>
バックのレトロ風の紙も、その新約聖書の空白ページを使用。メランコリックな雰囲気で。
ポスター作成は、手に入る材料(エラスムスの銅像、新約聖書)を調理する感覚に似ている。この塩加減が良いと思っても、お客によっては塩や醤油を極端に多く追加したがったり、好き嫌いがあったりするので、それを調整してバランスを保つ必要性があるから。


Erasmus-at-CRRS.jpgこちらが現物の銅像なのだけど、正面から見る印象と、
斜め下から見る印象の違いが大きい。最も若く見える角度を探して撮影した画像をポスターには使用。熟年に見えるホルバインによるエラスムスの肖像画が有名だが、エラスムスの文は溌剌としているので、ポスターでは若々しさを表現したかった。


Dangerous-Beauty-Feb25.jpg2月25日に開催するムーヴィー・ナイトでは『 娼婦ベロニカ (1998) 』を使用。物語の後半はハリウッド的になってしまっているが、前半は史実に沿った箇所があるという点で、学内で放映することとなる。DVDのジャケットとポップコーンのイメージを借りた、即席のポスター。

← Image borrowed from the New Regency Enterprises


***


Mental-Health-Issues.jpg3月1日のイベントは、文学部&科学部からゲストを招待し、精神疾患を 芸術的な要素(ダンスや二面アート)から見てみようという企画。企画のチーフが、ポスターのために、文学部からの講演者のアートワークより、ダンスの画像使用を主張。科学部からの講演者が、精神疾患を抱えた子供達の治療法としてダンスを使用していることが要因のようだが。。。
  
著作権の侵害を避けるために、私が現在習っている Nia のクラスのインストラクター、アンドレア(Andreea)に写真提供を依頼。アンドレアは、Nia のダンスで黒帯を持つ、心理学のドクターの学生。今回のイベントの内容が、実際、不明確なので、文学部と科学部の調和、という点に焦点を当て、ポスターを作成。

ところで、アンドレアのダンスはいつもクリエィティヴで楽しい。
アンドレアのホームページは、こちらから
ーー>http://www.andreea-nia.com/
posted by mandelin-coffee at 00:16| Comment(0) | TrackBack(0) | カナダ Toronto 大学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月13日

入浴と毛穴

1348年に起きた黒死病以後、ルネサンス時期だけではなく、18世紀に入ってからも人口が増えなかったフィレンツェ。フィレンツェの人口統計を見る度に、トロント大学の総学生数(6万人以上)より低い数字だなぁと考えずにいられない。人口が激減後、増えなかった原因は、度重なるペストの流行だけではなく、持参金の値上がりのため、結婚できなかった女性が多かったことなどもある。

1348年、フランス王フィリップ6世に依頼され、パリ大学がペストの原因調査を行う。その結果では、『木星、土星、火星の「合(天文)」が起きると、大地と水から病原菌で冒された蒸気がのぼり、空気が汚染される。感染しやすい人々は、その汚染された空気を吸うことで、病気になり死に至る。』この大地と水からのぼる蒸気への恐怖は、熱い湯に浸かり、体を緩めすぎる入浴が、危険への早道であるだけではなく、ペストの原因を起こす、という誤解をまねくこととなる。入浴で開いた毛穴から、ペスト菌が簡単に体内に侵入する、という誤った知識のため、その後200年間、ペストが流行する度に、浴場の封鎖の叫びが増す。

皇室外科医アンブロワーズ・パレ(1510ー1590)は、1568年に、「しばしば観察されるように、入浴後、皮膚は柔らかくなり毛穴が開くことから、疫病を発生させる蒸気が急速に毛穴に入り込み、突然死を引き起こす。」と述べている。近代外科学の祖とも呼ばれているアンブロワーズ・パレの声は、当時影響力があったであろうが、現在、ペストの原因は、蚤がネズミから人への細菌を運んだと信じられている。[実際、ペストの流行で食料不足になると、人々はネズミを食べていた。]

入浴への不安感は、梅毒などの他の病気でも加速される。水を通じて、悪い物が体内に入る可能性があるだけではなく、古代から信じられていた体内バランス、つまり、四種類の体液(血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁)が身体の構成要素であるという四大元素説、が蒸気によって開いた毛穴を通じて冒されると考えたのである。毛穴が病原菌の攻撃を受けやすい、との誤信は、目の詰まった洋服地を選ぶことにまで加速する。

司祭、人文主義者、神学者で有名のエラスムス(実際、恋愛に関する愉快な物語も書いているのだが)も、1526年に、「浴場は一つもない。ペストが浴場を避けるように我々に悟らせたのだ。」と記述。「知は力なり」という言葉が有名の哲学者、フランシス・ベーコン(1561ー1626)は、特別な26時間風呂をデザインしている。
入浴レシピ:入浴前にオイルと軟膏を塗ることで、毛穴を塞ぎ、2時間湯に浸かる。次に湯から上がり、松やに、没薬、丁字(ポプリ)、サフロンを染み込ませ、鑞(ワックス)加工された布地を体に巻き付ける。それらは、湯の中で緩まる毛穴を塞ぎ、身体を硬化すると信じられた成分。24時間後、その布地を取り除き、オイル、塩、サフロンで塗る。

17世紀は、ぞんざいな手洗い以外「洗う」ことから遠かった時代。私の好きな芸術家の生きた時代なのだが。。。


Note: Katherine Ashenburg, The Dirt on Clean: An Unsanitized History (A.A.Knopf Canada, 2007), 94, 95, 100, 101.
ラベル:風呂文化
posted by mandelin-coffee at 18:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 文化&気づいたこと EU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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