2007年01月01日

Daliを見て、そして。。。

本日、BS朝日にて「BBCスペシャル キリスト3つの名画の謎〜その誕生に隠された真実」が18時より入ります。

ここでは以前私が書いた記事で話した絵、Christ of St John of the Crossが取り上げられます。

Glasgowを懐かしく思いながら見るつもりです。

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もし、私が雪祭りで像をデザインできるなら、日本で起きた原爆のbefore & after を、いろんな写真や記述をもとにして制作するだろう。
そこに誇張はない。ただ、歴史の一場面を映し出すだけ。
これは、かなりの挑戦だ。子供の頃、「はだしのゲン」が怖くて読めなかったのだから。

   なぜ、するのか? なぜ、このアイデアが浮かんだのか?

それは偶然に見ていた科学雑誌  New Scientist に、被害者の方々の上半身のセミヌードの写真付の記事を載っていたこと。

イタリア人から、英国で8月に放映されたTV番組を見ながら聞かれた質問。
「(既に日本は敗北状態で、原爆を使わずとも戦争は終わらせられたのに、)なぜ、アメリカは核爆弾を使ったんだろう?」

↑思いがけない質問を受けない限り、普段の生活では中々向き合えない事柄である。
でも、戦後60年以上、生き証人が他界されていく中、今一度地球上で考える内容であると思う。

   なぜ、雪で、なのか。

“黒い雨”が原爆投下後に降ったことが印象的。
その対照色である白は、時にpure性や平和を象徴もする。
そのコントラストの一方、‘雪の溶けやすさ’は、何か、はかなさ、もろさ、いろんなことを表現する媒体だと思う。

最近、TV番組でDaliの原爆からインスパイアーされた作品が出ていたり、 『美術手帖 vol.58』で中沢新一氏が紹介していた、“明日の神話” (by 岡本太郎)を読んだりすると、雪で制作するだけではなく、20世紀、21世紀に芸術家がどうこの出来事に関連する作品を紹介することも大事だと思う。これは、webのように、その作品がある場所や、制作された場所と札幌を結び、より多くの人が 何かを考える機会を自然に持たせることができるから。


P.177(抜粋)
太郎のヴィジョン

《明日の神話》は縦5.5メートル、横幅が30メートルの巨大な壁画です。
・・・この絵は、核爆発、核兵器を扱っています。核爆発のすさまじい破壊力によって、人間は焼かれ、吹き飛び、きのこ雲が浮かび、動物や魚やあらゆるものが激しい焔に包まれています。
 この絵が制作されたのは、ちょうど大阪万博(1970年)のころです。


P.184 (抜粋)
芸術は勝利するか?

人類がつくりだし得る最も美しいものや崇高なものも、醜悪なものや卑劣なもの、世界を破滅に導くもの、人間の心の同じ場所から生まれてくるのです。

芸術は、この相反する力、矛盾をそのまま表現するものです。仏がもっている破壊力は、人間を解放するためにあります。縄文土器の恐るべき死のエネルギーは、次の生命を生み出してくる根源的な場所から放たれています。そしれ、そうした古代的な神話の思考の末裔が、アヴァンギャルド芸術です。

古代の人間の思考方法を現代に生き延びさせようとする試みだからこそ、岡本太郎は、必然的に東北の縄文文化に行き着いたのでした。

この《明日の神話》という作品のなかで、骸骨はほがらかに笑っています。肉体は吹き飛んでしまっています。生命は消えるかもしれません。しかし、これを乗り越えていくためには、単なる平和思想、反核の思想だけでは不十分だろうというのが岡本太郎の考え方です。もちろん反核は必要です。しかし、反核だけでは、芸術の中に潜んでいる爆発的なものも否定することになる。そのことを岡本太郎は危惧していました。

私たちは、芸術によって、核というものを超えていくことができるのではないか。技術と芸術が大きく分かれている分岐点に立ちもどって、科学技術がつくり出すものを包摂し乗り越えていくことが、芸術の力で可能なのではないか。これは賭けです。この賭けに、これからの芸術が勝利するかどうかは、わかりません。しかし、できるかもしれない。いや、勝利できると、岡本太郎はこの作品で言いたかったのだと思います。ですから、《明日の神話》は「超核」の神話です。




posted by mandelin-coffee at 16:57| Comment(0) | TrackBack(0) | my idea & work | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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