2008年03月07日

Beardsley.浮世絵.(男性の)妄想

Aubrey Beardsley (1872ー1898) の作品との出会いは、今から2年前。
Glasgow 大学にいた時、Klimt 作のベートーベン フリーズについて調べていた時。

Alibaba-2.jpg ベートーベン フリーズのIntemperance(不摂生.飲過ぎ)は、Beardsleyのアリババ(図→)から閃いた、という記述を読んだ時。
←狡猾さだけではなく、なんとも言えない魅力もある。
Beardsleyは、イギリス人 作家兼デザイナー。26歳で他界という短命が残念なほど、個性的な作品を残している。

Zatlin女史がいくつかBeardsleyに関連する本を出していて、そのうちの一冊が、Beardsleyは日本の浮世絵に影響を受けたという推論を検討する内容。


The-Eyes-of-Herod-s.png Beardsleyは、エロティックな浮世絵を寝室に飾っていたこともある、と。単純に面白いと思っただけではなく、浮世絵の様々な点が作品へ影響したであろう、と、項目ごとにZatlin女史は語る。
Beardsleyの作品を見ているだけでは、浮世絵への関連性は特に感じないが、Zatlin女史の記述は、西洋人が見た浮世絵への反応、影響、日本人への関心度の例として興味深い。日本人ゆえに、私が気づかない点を気づかせてくれる。

他方、Beardsley の作品の「性」に関する作品を通し、イギリス、フランスの印刷物での「性」、特に「男根崇拝」の流行、当時の絵画の傾向を分析するZatlin女史の著作もある。そこにも、浮世絵は登場する。


Illustrations :
Zatlin, Linda Gertner: Aubrey Beardsley and Victorian Sexual Politics. Oxford University Press, Oxford New York Toronto, 1990.
絵は上から順に
Plate 12 :Aubrey Beardsley,Ali Baba
Plate 47 :Aubrey Beardsley,The Eyes of Herod,Sarome
Plate 91 :北斎,Girl diver and Octopuses
Plate 116 :Antoine Borel, frontpiece, L'Aretin francais (1787 edn.)

北斎とAntoineの作品を初めて見た時はショックと同時に、よくこういうことを考えつくなぁ、と何とも言えない気分となる。面白いと言えば面白く、なにせ躍動感のある作品とも言え、グロイから何度も見たい気分にならない、とも思う。それにしても、何に閃いて、どんな状況で作品化したんだろう。。。hokusai-2.jpg 19世紀、日本や日本人についてあまり知らない人たちは、この図を見てどう思ったんだろう。。何を想像したのだろうと怖い気もする。
英語で、北斎のタイトルを入れると今も、カラーの写真がgoogleでは驚く数でヒットする。Klimtもエロティックなスケッチを多く残すが、作家は、なぜ「それ」を作品化するのだろう。卑猥さを強調するのだろう。

frontpiece-antonie-3.jpg 西洋には多くの美しい模様があるが、それを茶化してこういう作品も作ってしまう、フランス人のAntoine Borel(1743-1810)

今回、この「男根崇拝」について書いたのは、例えば、ピカソについての論文でも、学者でその話題に触れる男性が意外に多いからである。例えば、○○は、崇拝者だった。。などなど。。若い男性として、友人通しで楽しんだだけかもしれないスケッチもやり玉にあげられる。
アメリカ人の とある有名評論家もこの話題が得意である。読む度に、またその話?!って呆れることもあるが、女性が大きい方が好きだと信じ込む男性は現代でも多い現状ゆえ、それが作品に反映されるのも現実なんだろうか。。。
批評された画家より、その評論家自身が、崇拝者なんじゃないだろうか、と思いたくなることも。



タグ:Klimt
posted by mandelin-coffee at 03:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ART 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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